
これまでサーチファンドは、主に若く優秀なビジネスパーソンが初めてトップマネジメントに挑む「ファーストCEO」のための登竜門として語られることが一般的でした。しかし昨今、その実態には新たな変化の兆しが見え始めています。すでに数々の組織を率いて実績を積んできたいわゆる「プロ経営者」が、あえてサーチファンドという仕組みを選び、自らのオーナーシップを最大限に発揮した経営にチャレンジする。そんな事例が、少しずつ現れ始めています。
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-プロ経営者にとってのサーチファンドの魅力-
すでに経営経験のあるプロ経営者が、なぜ改めてサーチファンドを通じて経営者を目指すのか。私たちは、その魅力は主に以下の3点に集約されると考えています。
①雇われ経営者ではなく、株主経営者である
私たちサーチファンド・ジャパンは、M&A実行時に、一緒に活動するサーチャーの方に自己資金のご出資をお願いしています。これは、身銭を切ってでも投資したいと思える会社を承継していただきたい、という考えに基づくものです。
自己資金を出資していただくことで、サーチャーは経営者であると同時に株主という立場にもなりますので、単なる「雇われ経営者」ではなく、自身も株主として意思決定する立場になります。(もちろん持分比率によって立場の違いはありますが、株式を保有しているかどうかは、経営への向き合い方に大きな違いを生みます。)
加えて、サーチファンド・ジャパンでは、経営成果に連動したストックオプションをサーチャーに付与しています。その設計は、グローバルにおける相場観も参考にしながら、一般的なPEファンドが招聘するCxOへの付与水準と比べて、「一桁大きい水準」となっています。企業価値向上の成果が、キャピタルゲインという形で自らの経済的なリターンにもつながり、高いアップサイドを目指せる点も、サーチファンドの大きな魅力の一つです。
②投資先の選定から戦略立案、実行までを一気通貫で行える
一般的にPEファンドが招聘するプロ経営者は、ファンドやヘッドハンターから打診を受け、予め定められた役割の下、ファンドが描いた戦略を実行する「執行」の立場の色合いが強いです。つまり、「選ばれる側」の立場になりやすい側面があります。
一方でサーチファンドの仕組みであれば、ご自身で経営を担いたいと思える魅力的な企業を、ご自身で探索し、自分の意思で承継先を選びに行くことができます。つまり、与えられた機会に乗るのではなく、自ら機会を創り出していくキャリアである点が、大きな特徴です。そのうえで、投資先の選定だけでなく、投資戦略やPMI、バリューアッププランの立案、そしてその実行までを一気通貫で担うことができます。
やらされ感ではなく、「自分が選んだ会社に対して、自分が立てた計画を、自分が責任をもって実行する」ということに取り組める点は、プロ経営者の方にとって魅力的に映っているようです。
③人への投資という観点からオーナーシップが最大限尊重される
サーチファンド・ジャパンは「志への投資」をテーマとして掲げています。人の志や想いへの投資という観点から、サーチャーのオーナーシップを最大限尊重し、M&Aから経営に至るまでの意思決定を委任しています。そのような背景から、M&A先の選定、投資戦略の立案、また実行後の経営フェーズに入ったあとも基本的には経営者(サーチャー)の意思決定を尊重します。
またサーチファンド・ジャパンとサーチャーは投資先を探す段階から一緒に活動しており、そのプロセスを通じて強い信頼関係が醸成されていきます。この信頼関係をベースに、株主と執行側という構造ではなく、共通の目的を持つ「良きパートナー」として経営に取り組むことができます。
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-実際にサーチファンドを志向するプロ経営者の声-
サーチファンド・ジャパンと共に活動するプロ経営者サーチャーからは、以下のような声が寄せられています。
A氏「株主経営者として、ファンドと対等な立場で経営ができる。この構造自体がサーチファンドの最大の魅力です。たとえば、経営に入った後に追加のM&Aを仕掛ける、そのための資金調達戦略も考える、といったことも自分で立案して実行しています。これはPEファンド傘下の経営者時代には持てなかった自由度で、非常にやりがいがあります」
B氏「数々の経営案件のオファーをいただきますが、『株を持てる』という点は決定的に違います。オーナーシップの観点で、株式保有の有無は極めて重要です」
C氏「『人への投資』というコンセプトに共感しました。自身で承継先を見つけ、ゼロから戦略を描くプロセスは、経営経験者にとっても非常に刺激的な経験です」
-プロ経営者サーチャーに対するサーチファンド・ジャパンの支援-
経営経験が豊富なプロ経営者であっても、M&Aや事業承継の「プロセスそのもの」を、自ら主導して完遂した経験を持つ方は、決して多くありません。私たちはアクセラレーター型サーチファンドとして、ファーストCEOを目指す方と同様に、プロ経営者に対してもM&Aの実務支援や、歴史ある企業を承継する際のナレッジを惜しみなく提供しています。
中には、過去に経営者としてM&Aに関与された経験を持つ方もいらっしゃいます。しかし、サーチファンドのソーシング活動には、事業会社で行うM&Aとは異なる難しさがあります。それは、「自分自身を後継者候補として売り主オーナー様に売り込む」という、極めてパーソナルでユニークなプロセスです。
単なる条件交渉ではなく、一人の人間としてどのように売り主様の想いを受け止め、自身の志を伝えるのか。私たちは、こうした繊細なコミュニケーションも含め、サーチファンド・ジャパンが培ってきた経験を共有しながら、プロ経営者サーチャーの挑戦に伴走しています。
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私たちサーチファンド・ジャパンのミッションは、「優秀な人材が中小企業を承継し再成長させる、新しいアントレプレナーシップのかたちを日本に定着させる」ことです。このミッションの達成に向け、ファーストCEOを目指す方はもちろん、さらなる高みを目指すプロ経営者の方々にとっても、オーナーシップを発揮できる場として、サーチファンドという選択肢を広げてまいります。